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教員からのメッセージ(2019年5月)

 
初等教育学科  学科長 髙橋 貴志 より(2019年5月)
 2019年5月1日、令和の時代が幕を開けました。日本各地、様々な場所で年明けさながらの盛り上がりを見せていましたが、私たち、「教育」や「保育」に関する場に身を置く者(もちろん学生のみなさんも含めて)は、新しい時代とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。ちょっと考えてみたいと思います。
 平成の終わりに、学習指導要領、幼稚園教育要領、保育所保育指針等が改訂され、学校や保育の現場は新しい時代に向けて一歩を踏み出しました。今回の改訂の特徴に、乳幼児期の教育から中等教育までを貫く方針が明確に示されたこと、があります。それは、①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③学びに向かう力の3つの要素を、子どもたちに育成すべき資質、能力として位置づけたことに顕著に表れています。この3つの要素は、(校種によって文章表現上の違いはありますが)、幼稚園、保育所等から高等学校までの教育において、共通のキーワードとなっています。
今更、2045年問題(人工知能が人類を超えると言われている問題)を持ち出すまでもなく、令和の時代に、子どもたちがよりいっそう変化の激しい社会の中を生きていかなければならないことは明らかでしょう。この点を前提にしたときに、3つの要素が、半ば必然的に導き出されたのではないかと私は考えていますし、おそらく多くの人が今回の改訂の方向性については同感なのではないでしょうか。ただ、我々に課せられた課題もあります。それは、この3つの要素をどのように育成するか、教育、保育に関わる者たちが、その具体的な方法や手続きについて議論を深め、教育、保育の実践レベルで「ピンとくる」ものにしていくことです。新しい時代に入ったから“勢いで”動くのではなく、こつこつと実践の場から課題や問題をあぶりだし、それらを修正するための手立てについて考え、実践し、失敗したら再修正し、というプロセスを地道に繰り返すことによって、今回の改訂の中身がよりリアルなものになってくるのではないかと思います。

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